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2006/10/06 (Fri) 泳げない魚たち5:ドライブ
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ついに五話目ですわ。

シェケナべいべ!

さ、どんじょ♪










「さてこれからどうする?」

「このまま帰って寝ちゃうのはもったいないよね?」

「じゃ、海でも行っちゃう?」

リナが猫みたいに目を輝かせ、オレは歓声を上げた。

リナを喜ばせようとオレは会社の車で「リージェンシー」の前までリナを迎えに来ていた。

浮気を疑った罪滅ぼしでもある。

全面的に信用したわけではないが、そういったポーズが必要なときもある。

そうして地球は回っていく・・・。



中国では車はステータスだ。

車を買うお金で家が建てられる。

みんなが車を買うか家を建てるかで悩んでいるほど車は超高級品なのだ。

リナはドライブが大好きだ。



そういうわけでオレたちは国道沿いのコンビニまで戻って、買出しをした。

さすがにキャンプ用品はなかったが、買い物カゴはあっという間にお菓子や飲み物やらでいっぱいになる。

明らかに二人で食べるにはすでに過剰だが、今の気分としては過剰なくらいがちょうどいい。

「ねえ、お酒はどうする?ビールだけじゃ物足りないし、紹興酒とか欲しいよね」

「鍋があれば、焚き火で海水沸かして紹興酒をお燗できるんじゃない」

「あ、ナーイス」

「夜食にカップ麺とかほしいけど、お湯がないしね」

「あるにはあるけどねえ・・・」

レジカウンターの端にお客用のお湯が入った湯沸しポットがある。

リナがそれを不穏な目つきで見つめた。

ゆっくりとオレに目を戻し、ニヤリとオレになにかを訴えかけてくる。

なにをしたいかはわかったが、さすがにそれってどうなのだろう。

オレの躊躇を見て、耳打ちする。

「店の商品ってわけでもないしさ、捕まったってシャレですむわよ。タビノハジハカキステ?」

タビノハジハカキステ、学校で習ったのだろう。

そこだけ日本語で言った。

でも意味が違うと思う。

「そういう問題か?

だいたい警察に捕まったら日本に帰されて会社クビになるよ。

お金払えば売ってくれるんじゃないか。

リナ、交渉してくれよ」


「ダメよ」

リナが恐い顔をして首を振る。

「どしてよ?」

「それじゃ、ツマンナイから」

真顔で言われて思わず吹き出してしまった。

確かになんでもお金で解決しようとするのはロマンがない。

日本人の悪い癖だ。

まあ、これくらいなら捕まったって警察沙汰にはならないだろう。

カップ麺の棚に隠れて二人顔を突き合わせて作戦を練る。

「どうよ?いける?お前の足にかかってるんだよ」

「ええ!あたし?」

「お前は車の運転ができないじゃないか。

すぐに発車できるようにエンジンかけてスタンバッているから、ダッシュで車に飛び乗れ。

自信をもって。ファイト!」


なにに自信を持てというのか。

もはや気分は銀行強盗犯だ。

店員は眠そうな中年男性が一人。

「でもさ、あたしヒールだから走れないよお」

「でもオレがやるとエンジンかけてる間に捕まっちゃうよ」

「湯沸しポットひとつ強奪できないなんて、あたしたち、ダメダメじゃん・・・

使い方合ってる?」


ダメダメじゃん、はオレが教えた日本語だのひとつだ。

だいたい合ってる。

せっかくの一大イベントがなにやら、なげやりにだらけはじめる気配を感じ、オレは一大決心をした。

「よし、わかった。オレがやる!車で待ってろ。

かならず強奪していくから」


グッと胸の前で拳を握り、毅然と顔を上げる。

つまらないことでもオレには一世一代の勝負だったりする。

こんな取るに足らない一歩があってもいい。


おっさんの電話があってからギクシャクしてる二人の関係が元に戻るなら、勝負しようじゃないか。

リナもなにかを察したようにクスッと笑って、オレの拳に自分の拳をコツンと当てた。


「あんば!!!」

いや、そこは「ガンバ!」と教えたはずだろ。




リナは無理を言ってオレを困らせるのが好きだ。

いや、本当はオレが喜ぶことを知っているんだ。




・・・そしておれは無事ミッションを完了した。


「で、どうだったの?」

「あのオジサン、なかに入っちゃったから楽勝だった」

「なにそれ、ぜんぜんツマンナイじゃん」

そう言うと思った。




それからオレたちは海岸に行って、たきぎ拾いを始めた。

砂浜にはその気になるとけっこう盛大に流木や板が転がっていて、あっという間にかなりの量になった。

車のガソリンを給油ポンプで吸いだして、たきぎにかける。

吸っていた煙草をポンと放り投げると爆発したみたいに炎上して黒い煙がもわもわ噴き上げた。

「うわ。びっくり・・・」

「すっごいね。ガソリンって」

リナの顔がオレンジ色になり、オレは不思議なデジャヴにとらわれる。

遥か昔にもこんなふうに二人で過ごしていたような切なさだ。

当たり前だがそれは一時的な高揚感からくる幻想だ。

でも、それでもオレは無性にうれしかった。

ビールを飲みながら、鍋に海水を沸かし紹興酒をお燗した。

リナがポツリと言った。

「ねえ、お金がたくさん欲しいって思うことはイケナイことなのかな」

オレは黙り込んだ。

薄っぺらな一般論を言えるほど厚顔ではない。

「あたしの店でもさ、売り上げを上げるために他のコの客と寝てまで横取りするコもいるし、そんなの汚いってコもいるけど、どうしてもお金が欲しくて、そのためにお客と寝るのが必要なら、そっちのほうが潔いってかんじもしちゃうし。

なんにもしないで妬んだり陰口言ってるコよりは、そういうコのほうが自分の人生を生きてるかんじがする・・・」


「リナはどっちよ?」



「ナイショ・・・・・」


「・・・・・・・・・・・」


「・・・うそ、そんなことしてないよ」



リナは微笑んで空を見上げた。

オレもつられて空を見上げた。

星なんてひとつも見えなかった。

「星、見えないじゃん。なに見上げてんだよ」

「あたしに言わないでよ」

「意味深に空なんて見上げるからオレまでつられただろ」

「なんとなく、そういう空気だったでしょ」

「まったく・・・格好つけて」



「じゃあさ、せっかくだから、夜食でも食う?」

リナが照れを隠すように立ち上がった。

「おーおー」

リナが強奪した湯沸しポットを抱えて戻ってきた。

カップラーメンを用意して、リナがポットの給湯ボタンをエイっと押す。

「あれ・・・・・お湯、出ないじゃん」

「だって電源ないもの」

オレたちは同時に吹き出した。

確かに電源がなければ給湯できない。

強引にフタを開けて直接お湯を注ごうとして、また笑った。

お湯が入っていなかったのだ。

「あたしたち、アホアホ?」

そう、オレたち、ダメダメのアホアホ。

オレたちは長い間、笑い転げた。




そのときは、いつもの二人に戻れた気がした。




それから急に仕事が忙しくなり、仕事に埋没した。

休日も接待ゴルフなどでリナに会えない日が続いた。

そんな中、オレはなんとか時間をつくり、リナのお店がはねてから久しぶりに二人で食事をした。

次の日も仕事で朝が早いので、タクシーで二人で帰りホテルで別れた。

「じゃあな、おやすみ」

「うん、じゃあね、おやすみ」

オレだけタクシーから降りる。

ホテルの前でタクシーはユーターンしてリナのアパートに行く。

リナのアパートはホテルから歩いても十分くらいの場所だ。

だがその日は様子が違った。

何気なく振り返ると、まだタクシーはそこにいた。

どうしたんだろう。

オレはホテルのロビーに入ってもう一度振り返る。

しばらくすると、オレがホテルに入ったのを見計らうように、タクシーはゆっくり発進した。

リナを乗せたままユーターンすることなく、いつもとは違う方向に向かって。

リナのアパートとは反対の方角に向かって。





先々週中国から帰ってきた後輩の実話です。

かれはまた急に今週の日曜日から中国出張決定!!

最終便しか飛行機がとれなくてあせってます☆


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comment

キタ━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━!!!


え?え?えーーーー!?
何何々!
最後の、

>リナを乗せたままユーターンすることなく、いつもとは違う方向に向かって。
リナのアパートとは反対の方角に向かって。

ってさーーー!もぉーう♪

気になるじゃまいかー♪(ジャマイカ?

って、もうファインさんの作戦(何の?
にハマッテルんだよね?まんまとw♪

あっ、ちなみに。

ほめ上手なんじゃなくて…


ほめさせ上手♪
ってか、だって、ほんとに面白いんだもん♪

ファインさんの記事はいつでもどこでも、

うれし☆たのし☆大好きですよ♪w
2006/10/06 02:29 | めみ [ 編集 ]

>めみちゃん

気になるジャマイカ(うまい!これ、いただき
ほんと?気になる?
いやあ、そー言ってもらえると、単純にうれしい♪
これからも頑張りモスばーがー(←ジャマイカの影響なんで許せ

>ってか、だって、ほんとに面白いんだもん♪
うほほーい、だから、褒め上手っていうんだってば♪

>ファインさんの記事はいつでもどこでも、
うれし☆たのし☆大好きですよ♪w

そんなこと言われると、おれがうれしくて、死にそうです☆
2006/10/06 03:39 | FineDays [ 編集 ]

なになにー又新しい展開が?、、、相手を試したりするから、、、何が有ってもお互い様だよね。

相手を試しても、、絶対に心は休まらないのにーーーー。
疑い始めると、、、相手が何を言っても心は晴れないのにーーーー。
逆に信じたら、、今のは嘘だって、、嘘だって言って、、、人間って不思議な生き物だね。。

2006/10/08 00:16 | みっちゃん [ 編集 ]

>みっちゃんさん

>相手を試しても、、絶対に心は休まらないのにーーーー。
本当にそうですよね
みっちゃんさんはホント、何でもお見通しですね
疑い始めるとどうしようもないですもんね
止まらないですね

嘘でもいいから信じさせてほしい
納得させてほしい
>人間って不思議な生き物だね
ですよねえ☆
2006/10/09 22:50 | FineDays [ 編集 ]









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【コメント 嬉しい♪楽しい♪大好き♪】

コメントするとタヒチ旅行が当たる!!!    かもよ・・・

【ばついち。だっけなんだや】

FineDays

Author:FineDays
プロフィール写真を変えてみた。
女豹のポーズの写真とどっちにしようか悩んだけどな。
思いきり背中そらせた上目使いのやつ。
でもやっぱ、まだ処女性をアピールしたい年頃じゃん?
「美尻伝説」打ち立てんのはまだ先でいいかなあって。
もうちょい清純派路線つらぬくわ。
でもなそうは言ってもな
アンアンの「SEXで綺麗になれる」特集とか見て来る日に備えてっから☆

【カウンター跳ね上がれ!マッハで♪】

【かてごり】

【激鬱を治癒する物語たち】

【リンク 行ってみれ】

あの娘のもとに                               飛びますっ!飛びますっ! 

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